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小児病棟の様子

病棟ってこんなとこ?


●ナースステーション
 入院するための病棟は、外来病棟とはちょっと違う構造になっています。
 病棟の中核となるのが、ナースステーション。忙しく看護婦さんは動いているので、ナースはいないことも多いのですが^^;カルテや薬はここを通じて運ばれてきます。ナースコールはここへ伝わりますし、スタッフ達の連絡などが行われています。
 構造的には、簡単に入ることができるものの、患者や家族はカウンターの中には基本的には入らないことになっている感じです。そうじゃない病院もあるかな?
●処置室
 病室でしにくい処置などを行う部屋です。ガーゼ交換、抜糸、痰(たん)の吸引、注射、点滴ルートの確保などの処置が行われます。
 日本では、慣習的に付き添い者の入室はさせないところが多いです。子どもの絶叫が聞こえることが多くある、悲しい部屋です。処置が終わったら、がんばったお子さんを誉めてあげましょう。
●病室
 日本の病院の病室は、個室ではなく大部屋が多いです。大部屋とは概ね4〜6つのベッドがある部屋です。ベッドの間は、天井から吊るされたカーテンで仕切られています。6人部屋の場合、通路にも窓にも接しないベッドは、視線のやり場にも困ることもあります。ベッドの場所は、病院側から決められ選ぶことは出来ません。
 差額ベッドといって、差額を払うことで2人部屋や一人部屋を選ぶことも出来ますが、その病室が空いていないと使えません。また病室が満室のためとか、感染症のため個室が必要という場合には差額を払う必要はないはずです。おかしいと思ったら、問い合わせましょう。

●ベッド
 新生児の場合は、コットといわれるワゴンのようなベッドを使う場合があります。授乳後、頭を高く斜めにすることも出来ますが、お子さんが下の方にずれていってしまうことがあるので、気をつけましょう。もちろん、寝返りができる可能性のあるお子さんは乗せられません。
 少し大きくなると、柵が高い乳児〜幼児用のベッドになります。このベッドの柵は、子どもが転落することを防ぐために絶対に下げたまま目を離してはいけません。大丈夫と過信して、ちょっとママが離れた隙に、転落して怪我をしてしまったお子さんを、私は見たことがあります。家とは違って病院は固い床でベッド面も高いですから、本当に気をつけましょう。柵は中ほどの高さにも設定できますが、突然つかまり立ちができることもありえないとは限らないので、安全のためには一番上にあげておくのが無難です。柵は結構重いものですから、上げ下げの時にはお子さんの手足ママの指などをはさまないように気をつけましょう。
 もっと大きなお子さんは、大人のベッドや大人に近い形のベッドになります。この場合も転落には十分に注意しましょう。転落防止のための柵を使うと、布団が落ちることも防げます。
 ベッドのシーツは特に汚さない限り1週間に1度程度しか交換されません。多くの方は、シーツに直接寝ずに、持ってきた大き目のバスタオルを敷いて端をマットにはさみこんで使っています。あんまり交換されないシーツを汚さないために、また保温のためにもなるようです。
 小児病棟にはベッドの種類がたくさんあるため、ベッドの移動がよく行われます。
●ベッド周り
 ベッドの奥の壁には、ナースコールのためのボタンやマイク、酸素のジャック、バキュームのジャック、コンセントがついています。
 ベッドサイドにキャビネットがあります。上にテレビが置いてある場合もあります。小物を入れる引出しと、食事をするための面が引き出し、扉の中にも物が入ります。補助ベッドがある場合は、その中にも物が入れられます。
●プレールーム
 小児科病棟の多くには、プレールームがあります。遊び場のことです。暇つぶしの場所だと思われがちですが、子どもにとっても病院にとっても重要な役目のある場所です。特に子どもにとって病気であっても『遊ぶ』というお仕事を休むわけにはいきませんものね。用意されているおもちゃを使って遊んだり、絵本を読んであげることもできます。
 病院によっては、保育士さんが常駐されていて遊んでくださる場合もありますが、多くの場合母親や入院している子どもと遊ぶことになるでしょう。
 入院中病院内で遊ぶということは、特別な意味のあることです。治療効果をよりあげることもあるでしょうし、治療を気持ちよく受けることができるきっかけになる場合もあります。時には発達成長を促進したり、療育や、診断のきっかけになる場合もあります。
 付き添い入院していたり、忙しい思いをして面会に来ていらっしゃる親が、病院内で子どもと遊んでやることは、辛いときもあるかもしれませんが、できるだけ心がけてプレールームに誘ってあげてはいかがでしょうか。他のお子さんの親と話ができる機会にもなりますし、子どもの自然な様子を見て安心できるかもしれません。  
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プレーツールについて
 病院には注射器や聴診器、お医者さんの白衣など、見慣れないものがたくさんあって、 不安になるお子さんもいます。
 病院特有の器械を見慣れて本物に会うときに不安を感じないようにしたり、痛かったり辛かったり する処置や治療の際に、気をそらすために道具となるおもちゃが、プレーツールです。
 
木製の病室と手術室
(堀内工房)
Dr.手作りニットの救急車 Dr.手作りのニットの指人形
お医者さんと患者と看護師さんの人形
 
●新しい職種・ボランティア
 
 病院で親とはなれて、辛い医療行為をがんばって受けている子どもの、心をサポートしてくださる新しい職種が生まれつつあります。すでに活躍していらっしゃる人もいますよ。
・医療保育士
医療体験に伴い子どもの心的外傷を予防・軽減し、発達を促す。
病状や発達度に配慮しながら、専門的な知識と技術を持って、遊びの提供をしたり環境作りを行う。
具体的には、病院でベッドのそばやプレールームなどで遊んでくださる保育士さんです。病気のことだけれはなく、育児のことを相談できることもありますよ。
・「チャイルド・ライフスペシャリスト」
闘病や慣れない病院生活におけるこどもの精神的負担をできるかぎり軽減し、こどもの成長・発達を支援する専門職です。病棟における遊びのサポート、こどもの理解力に応じて病気や治療の説明をしたり、辛い治療を精神的にサポートしたり、きょうだい児の援助、親が病気や死亡の場合の精神的サポートもします。 1950年代から北米を中心に発展してきた職種です。
医療スタッフの一員ですが、医療行為には一切関わらないため、こどもにとっては「いやなこと、痛いことをしない安心できる存在」であり、医療者とこどもや家族との架け橋的役割を果たします。
・プレイセラピスト、音楽療法士、クリニクラウン
子どもの病院環境をサポートするいろんな職種があります。プレイセラピストはイギリスで発達している職種で、音楽療法士は治療的に音楽を聞かせてくれたり演奏させてくれたりして、クリニクラインはピエロの格好で遊んだり芸を見せてくれるものです。それぞれちゃんとした定義は違うかもしれないので、ごめんなさい。
・ボランティア
わが国では大震災後、ボランティアという言葉を良く聞く様になりましたが、病院にもボランティアの方が増えつつあるようです。病院の中の案内や、プレールームの管理、遊び相手、食事のお手伝いなど、いろんなことをしてくれるボランティアさんます。
お世話になる立場としては、資格の有無や正職員ではないことで、信頼を持たないというのは、もったいないことです。ぜひ感謝とともにお世話になりたいものです。

 これらの職種の方々は、子どもの環境を改善してくださる方々です。人によっては保育料を取られてまで、必要ないという方もいるでしょう。頼んででもいて欲しい人もいるでしょう。病院は営利目的のサービス業ではありませんが、サービスの形によって、患者が選び要望することが、これからの病院環境を変えていくのかもしれません。